NTTドコモ 笑顔の架け橋 Rainbowプロジェクトで、株式会社ビックメイツが紹介されました。

(記事抜粋)

キビタン号で福島をアピール

株式会社ビックメイツ

現在、福島県の復興シンボルキャラクター「キビタン」を活用した移動販売車事業で、福島産品のアピールを続ける株式会社ビックメイツ。
社名の「ビックメイツ」には、大川昌義社長の福島への思いが込められています。16年間勤めた大手輸送サービス会社を退職してまでも、福島に残った理由などや、決して順風満帆ではなかった起業当時の話をうかがいました。

物流のスペシャリストとして

大川社長は、以前、大手物流サービス会社に勤務していました。勤務先は福島県の郡山。
震災時には、その手腕を買われ、避難所への物資の管理責任者を任されることに。混乱していた現地では、物資の振り分けが遅れ、それぞれの避難所への到着が遅れるという問題が発生していました。
すぐに、大川社長は、仕分けの状況を把握しに現場へ向かいました。「一生懸命みなさんやっていたが、これでは遅れるのも無理はない」という状況であったといいます。
そこで、設備も整い、物流のノウハウもある大川社長の当時の会社で、物資を受け取り、仕分けをして届けるという取り組みを開始したことで、スムーズに避難所へ物資を供給することができるようになったそうです。

福島の生産者たちからのSOS

そんなある日、物資の物流改善に奔走していた大川社長のもとに、「福島の生産者たちからのSOS」が届きます。特に福島特産の「桃」の原発事故による風評被害は大きな問題だったといいます。
「(桃の)注文が激減しているから、なんとかできないだろうかって相談を受けたんです。」
「まずは、福島の安全安心の取り組みのアピールチラシを同封した配送伝票を作りました。でも、これは商品を購入した人達にはアピールできるが、購入に至らない層へのアピールはできない。なので、福島県知事にも協力を依頼して、安全安心の取り組みのアピールチラシのDM送付や、物流サービス会社の全国の配送ドライバーの協力のもと、東北被災三県の商品をギフトとして販売するという支援活動を企画したりしました。」と大川社長は当時を振り返ります。

福島に残りたい

そして震災発生から1年、2年が経過したころ、異動の話が浮上してきました。
「もともと私は神奈川の横須賀が出身で、(震災前は)関東に戻りたいという気持ちがあったんですが、震災がおきて色々な方と苦労を共にしたので、そのまま福島に残り、福島の復興のために何かをやりたいなって気持ちが強くなって。それで、独立しました。」
大川社長は、笑顔で起業のきっかけを話してくださいました。

きびしい幕開け

震災前には、大手物流サービス会社で、「ネットスーパー」や、その配送の仕組みを企画したりしていたこともあり、創業時はネット事業をやろうと考えていました。しかし、なかなか事業はうまくいきませんでした。創業して2ヶ月後には、会社はあと半年しかもたないだろうという状態になってしまったといいます。
「これはなんとかしないといけないと、打開策を模索するため、色々な方の話を聞いていたら、やはり福島県産の食品は(原発事故の影響もあり)結構厳しいっていうお話を度々伺って・・・」
「福島県の復興のために立ち上げた会社なので、ほかの県産品をやろうとも思ってないし、福島のもので生き抜くには、消費者に近づいていくしかないんじゃないかと思って。実は事業が軌道に乗ったら移動販売みたいなものも手がけたいなあと思っていたこともあり、「キビタン号」という企画を作って県にぶつけたところ、官民連携事業プロジェクトにより“ふくしまから はじめよう。キビタン号”が誕生しました。」

キビタン号事業の発想

大川社長に、キビタン号を思いついた時のことを聞いてみました。
「よくアンテナショップで、その県のキャラクターが出て来て、お客さんとふれ合うのはありますけど、移動販売車で、実際キャラクターが出てくるのはどこもやってないのではと考えたんです。調べたら確かにやってないみたいなんですね。それが面白いと思いました。」

キビタン号はキッチンカー

キビタン号はキッチンカーなんです。福島県産食材を使ったメニューを提供しながら、地元の仮設住宅や主に関東のイベントに参加しています。」
「ビジネスだけで考えたらずっと関東にいたほうがいいのですが、福島県産品を関東の人たちに広める活動だけでは弱いなと思っています。仮設住宅や県内を回るというのは、仮設住宅を回ってコミュニケーションとりたいという想い、いろいろな県産品があることを地元の人に知ってもらいたいという想いがあり、開始した時から仮設住宅は回っているんです。」

福島の産品の販路拡大の一助になれば

いま、キビタン号での一番人気は、2012年福島県のおいしい大賞に輝いている「会津山塩のシュークリーム」。このような福島が誇る商品の販路拡大に「キビタン号」が貢献できればと大川社長は考えます。
もうひとつの人気商品は「熟成発酵黒にんにく」。にんにく独特のにおいがなく、健康志向の人達の間では、話題の食品となっています。
また、地元のりんご農家と提携して、オリジナルのりんごジュースの販売もはじめました。
こだわりのりんごジュースの売れ行きは好調で、2015年春の増産も決定しています。

福島の仲間と中身も伴って大きくなりたい
社名の「ビックメイツ」への思いを大川社長はこう話してくれました。
「(ビックは)『グ』じゃなくて『ク』というのは、\\\”中身も伴って大きい\\\”という意味があります。メイツというのは仲間という意味で、\\\”福島の仲間と中身も伴って大きくなりたい\\\”っていう思いを込めているんです。」
株式会社ビックメイツは、これからも福島の人達と共に成長していきます。